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家づくり 2025.09.16

よくある新築注文住宅の失敗とは?「後悔しないための解決策」を解説

「せっかくの注文住宅、絶対に後悔したくない」そう期待して家づくりを始める方がほとんどです。しかし、「住んでみたら暮らしにくかった」「予算を大幅にオーバーしてしまった」という失敗談も世の中には、たくさん存在します。

この記事では、姫路・たつのエリアで数多くの注文住宅を手掛けてきた私たちACE FORMが、注文住宅でよくある後悔ポイントを5つに分類し、その具体的な解決策をご紹介します。

目次

【原因別】注文住宅でよくある後悔ポイント5選と解決策

マイホームの計画をする若い夫婦


家づくりの後悔には、いくつか共通点があります。
ここでは、よくある5つの失敗原因と解決策を解説します。

後悔ポイント1. 間取り・動線

見た目のおしゃれさや憧れだけで家を決めると、日々の小さなストレスが積み重なり、「暮らしにくい家」になってしまうことがあります。

間取りで後悔しないために、部屋の広さやデザインといった「点」で考えるのではなく、家族が朝起きてから夜寝るまで、どのように動くかという「線」で暮らしを具体的にシミュレーションしましょう。

<解決策> 「線」で考える動線計画をしよう

失敗しない家づくりには、まず主要な動線を計画することが重要です。

例えば、帰宅時の「ただいま動線」。
「玄関→手洗い→ファミリークローゼットで着替え→リビングへ」とスムーズな流れなら、外からの汚れを防ぎ、リビングに物が散らかりません。

また、毎日の家事負担を左右する「洗濯動線」も同様です。
「洗濯機から物干し場、そしてクローゼットまでが一直線」だと、家事効率がアップします。

間取りや動線で後悔しないためにも、現在の住まいの不便な点を家族でリストアップし、それを解消する「理想の動き」を考えることで、より快適な家づくりが実現します。

後悔ポイント2. 収納の量と位置

ただ大きいだけの収納は、空間を無駄にし、奥行きや高さが活かされず、結局使わないモノの溜まり場になりがちです。どこに何があるかわからなくなり、必要な時に探す手間も増えてしまいます。これでは、収納があるのに片付かないという悪循環に陥りかねません。

<解決策1「使う場所の近く」が大原則!「適材適所」を意識しよう

木製棚板が2段設置された奥行きのある収納スペースのACE FORM施工事例。


後悔しない収納の基本は「適材適所」です。

例えば、ティッシュや掃除用品のストックは、それらを頻繁に使うリビングや洗面所の近くに置くべきです。2階の納戸までわざわざ取りに行くような間取りでは、リビングに出しっぱなしになり、散らかる原因になります。

同様に、毎日使う衣類は寝室のクローゼット、タオル類は脱衣所など、動線上に収納を配置することが重要です。

<解決策2>しまうモノの「サイズ」から考えよう

明るい木目調のオープンシェルフとカウンター収納が特徴のACE FORM施工事例。


掃除機、扇風機、スーツケース、キッチン家電など「サイズが決まっている物」の置き場所は、設計段階で指定しておくのがおすすめです。

特にコードレス掃除機は、充電用のコンセントも合わせて計画する必要があります。また、衣類収納も、ハンガーにかける服が多いのか、畳む服が多いのかによって、必要なパイプの長さや棚の段数が変わってきます。

手持ちの物をリストアップし、それぞれの定位置を決めてあげましょう。

後悔ポイント3. コンセント・スイッチの数と位置

コンセントやスイッチの位置は、設計図だけでなく、家具や家電の具体的な配置や、生活シーンをシミュレーションして検討することが重要です。ここを考えずコンセント位置を決めると、活動線に合わなかったり、見た目が悪くなったり、日常生活で不便を感じたりと、後悔する可能性があります。

<解決策>コンセント位置は、「家具・家電の配置」から決めよう

明るい木目調フローリングと白い壁が清潔感を与える洗面所・脱衣所のACE FORM施工事例。


コンセント計画の失敗の主な原因は、家具の配置を決めずに進めてしまうことです。

まず、テレビ、ソファ、ベッド、机、洗面台などを「どこに、どの向きで置くか」を明確にしましょう。これにより、コンセントが家具の裏に隠れて使えなくなるのを防げます。

また、ダイニングテーブルの横(例:ホットプレート用)、ソファの横(例:スマートフォン充電用)、キッチンカウンター(例:ミキサー用)など、後から増設しにくい場所には、計画段階で忘れずに設置しましょう。

後悔ポイント4. 窓の大きさ・性能・位置

窓は、暮らしの質を大きく左右します。単に「明るさ」や「開放感」だけで窓を計画すると、一年を通して快適性やプライバシーが損なわれる家になりかねません。

<解決策> 周辺環境と方角に合わせて窓を使い分けよう

木目調フローリングとモダンな市松模様の畳スペースが融合した和洋折衷デザインのACE FORM施工事例。


「夏は暑く、冬は寒い」と感じる家は、窓の性能と方角が合っていない可能性も。

日差しが強い西側の窓は小さくするか、断熱性能の高い樹脂サッシや複層ガラスを採用する必要があります。逆に、冬の暖かい日差しを取り込みたい南側の窓は大きくするなど、方角の特性に合わせて窓を使い分けましょう。

プライバシー保護のためには、実際に現地に立ち、道路や隣家からの視線を確認することが重要です。
もし視線が気になる場合は、高窓の「ハイサイドライト」や、光を取り込みつつ視線を遮る「型板ガラス(すりガラス)」の活用を検討しましょう。

後悔ポイント5. 外観・外壁

家やリフォームの外観の色・素材選びは、小さなサンプルだけだと「イメージと違う」と後悔することも。
面積の大小、光の当たり方、周囲の環境で印象は大きく変わるためです。
鮮やかすぎたり、薄すぎたり、周囲から浮いたりすることもあるので、サンプルや実例を参考に、慎重に選びましょう。

<解決策>大きなサンプルと見え方を確認しよう

マイホームの壁の色を決めるイメージフォト


色を選ぶ際は、色の面積が大きくなるほど明るく鮮やかに見える「面積効果」を必ず考慮しましょう。

室内灯の下で小さなサンプルを見るだけでなく、できるだけ大きなサンプル(A4サイズ以上)を屋外に持ち出し、太陽光の下で確認することが重要です。

また、長く美しい外観を保つには、汚れの目立ちにくさも大切です。
真っ白や真っ黒の外壁は、雨だれや砂埃が目立ちやすい傾向があります。
少しグレーやベージュがかった色味や、凹凸のある素材を選ぶと、汚れが目立ちにくくなります。

気になる色があれば、その色を使っている実際の家を見学させてもらうのが最も確実です。

後悔ポイント6. 外構・駐車場

外構や駐車場は、つい後回しにされがちな部分です。

建物本体にこだわりすぎると、いざ外構を考える段階で予算が足りなくなり、結果的に不便で殺風景な屋外空間になってしまいます。

<解決策> 資金計画の段階から外構を組み込もう

広いコンクリートの駐車スペースと緩やかなスロープを備えた機能的な外構が特徴のACE FORM施工事例


後悔しないためには、家づくりの初期段階から、建物と外構を一体のものとしてトータルで計画・予算組みをしましょう。
建物とは別に外構費用(一般的に建築費の1割程度が目安)を確保しておくことが重要です。
住宅ローンに組み込むことで、後から別途ローンを組むより金利面で有利になる場合もあります。

後悔ポイント7. 断熱性・気密性

「QUALITY」と書かれた赤い矢印が白い電卓の上に置かれ、奥に白い家型オブジェ、ノート、ペンが並ぶイメージ。


断熱性や気密性は壁の中に隠れて見えないため、コスト削減の対象になりやすい箇所です。

しかし、この部分の初期費用を削ると、光熱費の増大や健康リスクなど、後から取り返しのつかない後悔につながる可能性があります。

<解決策> UA値やC値といった性能値を理解し、基準を満たす会社を選ぼう

断熱性能を示す指標に「UA値」があります。
これは家全体からどれだけ熱が逃げやすいかを示す数値で、この値が低ければ低いほど断熱性が高く、省エネな家と言えます。
2025年に義務化される省エネ基準では、ZEH基準(UA値0.6以下)が目安とされています。

また、家の隙間の多さを示すのが「C値」です。
この値が低ければ低いほど気密性が高く、隙間風が少ないため、部屋ごとの温度差が小さくなりヒートショックのリスクを減らせます。
最新の省エネ基準では、C値2.0以下が推奨されています。

後悔ポイント8. 音の問題

住宅を設計する際、実は見落とされがちなのが「音」の問題です。
夜間の排水音やリビングからの話し声など、一度気になり始めると大きなストレスとなる可能性があります。

<解決策>ゾーニングで音源を遠ざけ、物理的な対策も検討しましょう

木目フローリングとグレーの壁がモダンな広々としたリビング・ダイニングのACE FORM施工事例。


まず、水回り(トイレ・浴室・キッチン)と寝室・書斎は、できるだけ隣接させないのが基本です。
間取りの都合で隣接する場合は、間にクローゼットなどを挟むことで、音が直接伝わるのを和らげることができます。

吹き抜けやリビング階段のように、音が響きやすい間取りを採用する場合は、物理的な対策も有効です。
壁や天井に吸音性の高い素材を使ったり、厚手のカーテンやラグマットを取り入れたりするだけでも効果があります。

なぜ注文住宅の失敗は起こるのか?根本にある5つの原因

家のブロックを見つめる夫婦


このような後悔や失敗は、なぜ起きてしまうのでしょうか。
表面的な問題だけでなく、その裏にある根本的な原因を探っていきましょう。

原因1:暮らしのイメージ不足

注文住宅で失敗するケースでは、「今の住まいの不満」を解消することだけを考えてしまい、「新しい家でどんな暮らしをしたいか」という具体的な未来像を描けていないことが原因となる場合がほとんどです。

例えば、「今のキッチンが狭い」という不満は、「広いキッチンが欲しい」という要望につながります。しかし、そこで思考を止めると失敗する可能性も。
理想とするのが「休日に夫婦で並んで料理を楽しめるキッチン」なのか、「子どもが宿題をする様子を見守れる対面キッチン」なのか。

このように、具体的な暮らしのシーンを伝えることで、ご自身やご家族にとって最適な広さやレイアウトを初めて提案できます。

原因2:コミュニケーション不足

家づくりは、設計士や工務店に「お任せ」にする際に、「プロだから言わなくても分かるはず」「こんな細かいことを聞いたら迷惑かも」といった遠慮が、後に大きな後悔を生む原因になります。

言葉だけでイメージを共有するには限界があります。例えば「ナチュラルな雰囲気」と伝えても、人によって思い浮かべるものは様々です。
理想のイメージに近い写真や雑誌の切り抜きを見せながら、「この写真の、この部分が好き」と具体的に伝えることで、認識のズレをなくせます。

原因3:優先順位が曖昧

理想の家づくりでは、「あれもしたい、これもしたい」と夢が膨らみますが、すべての要望を100%叶えるのは難しいです。
後悔しないためには、設計に入る前に、家族の中で「これだけは絶対に譲れない」という価値観の優先順位を明確に決めておくことが重要です。

例えば、予算が少しオーバーした時、「キッチンのグレードを上げる」か「浴室のグレードを上げる」か、どちらかを選ばなくてはならないなら、どちらを優先したいのか選び、取捨選択する必要があります。

原因4:思い込みと情報過多

インターネットやSNSの魅力的な写真や断片的な情報だけを鵜呑みにするのは危険です。
他人の成功事例が自分たちの暮らしに合うかを検討せずに「正解」だと信じ込んでしまわないようにしましょう。

例えば、「アイランドキッチン」もおしゃれですが、「常に片付いていないと生活感が出る」「調理中の匂いがリビングに広がる」という側面も。
流行りのスタイルが、本当に自分たちの性格や暮らし方に合っているのか、メリットとデメリットを天秤にかけて冷静に判断することで失敗を防ぎます。

原因5:パートナー選びのミスマッチ

どんなに評判の良い住宅会社や建築家でも、自分たちの価値観と合わなければ、最高の家づくりはできません。自分たちの「譲れないことリスト」の上位と、会社の強みが一致しているかを見極めることが、ミスマッチを防ぎます。

後悔しないために。新築計画で失敗を防ぐ5つのチェックポイント

マイホームを指差す夫婦・家族(不動産・注文住宅・新築)


では、これらの失敗を防ぐためにはどうすれば良いのでしょうか。家づくりを始める前に、必ず押さえておきたい5つのポイントをご紹介します。

1. 家族の「理想の暮らし」を言語化する

まずは家族で、「朝起きてから夜寝るまで、新しい家でどのように過ごしたいか」を具体的に話し合ってみましょう。「休日は庭でBBQがしたい」「夫婦でキッチンに立って料理を楽しみたい」など、具体的なシーンを書き出しておくと、設計者が理想のイメージを掴みやすいです。

2. 予算の総額と内訳を正確に把握する

家づくりに必要な費用は、建物本体の工事費だけではありません。
外構工事費や登記費用、各種税金などの「諸費用」が別途必要になります。予算オーバーにならないように、最初に総額をしっかり把握し、予算オーバーにならないようz資金計画を立てましょう。

3. 複数の会社を比較し、相性を見極める

ハウスメーカー、工務店、設計事務所など、家づくりのパートナーには様々な選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、2〜3社から話を聞いてみましょう。
こちらの話を親身に聞き、専門家として的確な提案をしてくれるか、担当者との「相性」を見極めることが大切です。

4. 現場見学会やルームツアーに足を運ぶ

図面や写真だけでは、空間の広がりや素材の質感は完全には分かりません。
完成見学会や、実際に人が住んでいる家(OB宅訪問)に足を運び、「実物大」の広さや大きさを体感しましょう。

▼開催中のイベント・完成見学会情報はこちら

https://aceform.jp/event

5. 長期的な視点を持つ

家は建てて終わりではありません。数十年先まで快適に暮らすためには、メンテナンスのしやすさや、将来の家族構成の変化に対応できる柔軟性も必要です。
特に20代など若いうちから家づくりを考えるなら、最長50年の住宅ローンなどを活用して月々の返済負担を抑え、その分を暮らしの質や将来のための貯蓄に回すという選択肢もあります。

まとめ|後悔しない家づくりは、信頼できるパートナーとの対話から

住宅に関して話し合う男女


注文住宅で後悔する原因は、間取りや設備といった個別の問題だけでなく、「暮らしのイメージ不足」や「パートナーとのミスマッチ」が根本にあることが多いです。
しかし、家づくりの「流れ」を正しく理解し、信頼できるパートナーと対話を重ねることで、失敗を限りなくゼロに近づけることができます。

間取りや動線で後悔しないためにも、現在の住まいにおける「不便な点」を家族でリストアップしてみましょう。
その一つひとつの不便を解消するために、専門家と対策を相談しながら設計を進めることで、より快適な家づくりが実現します。

姫路・たつのエリアで注文住宅を建てるなら「ACE FORM」にご相談ください

ACE FORM 施工事例写真


私たちACE FORMは、家を単なる「箱」としてではなく、お客様一人ひとりの「暮らしを形にする器」だと考えています。

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【この記事の監修者】
ACE FORM代表 堀岡慶輔 / 一級建築士


一級建築士として建築業界に長年従事。ハウスメーカーでの経験を活かし、顧客の暮らしを第一に考えた住宅提案を行うACE FROMの代表を務めています。
株式会社ACE FROMの代表として、革新的な建築デザインと顧客満足度を追求。
一級建築士としての豊富な経験と専門知識で、高品質な住まいづくりを提供いたします。